大学広報
University Public Relations

2017作品コンテスト入賞作品

わたしのまちを世界とつなげる

高松第一高等学校2年  稲崎 静華

 昨年の冬休み、私は旅行でロンドンを訪れた。見るもの、食べるもの、触れるものすべてが新鮮で夢のような時間を過ごすことができた。丁度クリスマスを迎えるということを除くと。
 実はロンドンの12月25日は賑やかな一日ではなく、家族と過ごす大切な一日ということが重要視されるので、スーパーやデパートはもちろんホテル以外のレストランも休業となり、なんとバス、地下鉄、電車までも運休になるのだ。だから街は静まり返り人の姿もまばらになってしまう。事前に分かっていたことだが、一日をどうやって過ごそうと悩んでいると、ホテルの人がレンタサイクルのことを教えてくれた。
 私の住んでいる高松市にもレンタサイクルはある。実際私もよく利用している。24時間以内200円で市内主要駅前の7か所にステーション(駐輪場)があり、どこで返却しても構わないシステムだ。とても便利で気軽なシステムだと思っていた。しかし、ロンドンのシステムとは大きく違っていた。ロンドン市内にはなんと750のステーションがあり、全部で11,500台以上の自転車があるのだ。500メートルも歩けば、ステーションにあたるのだ。
 私は実際に利用してみた。ステーションにある機械にクレジットカードを通して手順通りに自転車の施錠を外して乗る。そして好きなステーションで返却するという簡単な作業である。しかし、きちんと返却しないと加算され続ける。支払いはクレジットカードだけである。料金は契約金の2ポンドと時間制のレンタル料だけだ。自転車は赤色でスポンサー企業の名前が入っていて一目でレンタルと分かる。少し日本の自転車とは形状が違うが、恐る恐る乗ってみると何の違和感もなく快適だった。その上、ゆっくりと観光地を見ることができた。とにかくステーションがあちらこちらにあるので非常に便利であった。クリスマス難民になるところだったが、とても貴重な経験ができた。
 こうして考えてみると、ロンドンのレンタサイクルシステムは私が利用していた高松市に比べレベルが違いすぎたといってもいいほど発達していたことに気が付いた。私はなんだかもったいない気がした。せっかく同じシステムがあるのだから、高松市ももっと活用できないのだろうか。
 香川県は全国に比べ糖尿病患者の割合が大幅に高い。最近はその中に小学生も含まれている。その原因に県民のソウルフードであるうどんの食べ過ぎだけでなく運動不足も指摘されている。また、香川県は交通事故の割合も全国に比べてもとても高い。県民の多くの人の移動手段が自動車であり、自動車の交通量もどうしても増えてしまう。もう一つ大きく言えることとして高松市、香川県、日本にとどまらず世界的な問題とされている地球温暖化だ。地球温暖化の主な原因である排気ガスを自動車は多く排出している。自動車をはじめとする交通手段によって排出される排気ガスは全体の4分の1とまでいわれている。
 そこで、このレンタサイクルシステムの出番である。ステーションや自転車台数を増やすことから始める。そこからレンタサイクル自体を身近なものにする。そうすることで市民に定着し、運動不足も解消され、自動車の交通量も減少するため排気ガスの量も減るはずだ。また、観光客向けにはレンタサイクルで周る香川の観光地ツアーやお遍路ツアー、うどん屋巡りなどと様々な観光業にもプラスなことが増えてくると思う。
 また来る2020年の東京オリンピックの影響で高松市に訪れる外国人も多くいるであると思われる。その時にもこのレンタサイクルが発達しているとしていないでは様々な面で大きな差がでてくると思われる。
 レンタサイクルでつなげる、つながるものは未知数だと思う。世界中の良い見本をどんどん取り入れ、アレンジし、新しい高松市のシステムを作り出し、またそれを世界に発信していける、そんな高松市を応援したい。