大学広報
University Public Relations

2017作品コンテスト入賞作品

金谷の魅力を発信するには -SLとお茶ー

藤枝明誠高等学校1年  鈴木 梓

 私の町、島田市金谷の魅力はなんだろう?と考えたとき『SLとお茶』という答えにたどり着いた。私は生まれた時から、春になるとどこからともなく香ってくるお茶を蒸した匂いと、昼になると聞こえてくるSLの汽笛を聞きながら育った。それらが当たり前の生活の一部だったので、市外の高校へ通うようになって、初めてそれらが金谷独特のものであることに気づいたのだ。
 蒸気機関車SLは、乗り物好きの人たちにはたまらないようで、特にここ大井川鉄道のSLは平日も走っているので、いつも道端に鉄道マニアがカメラを持って待ち構えている。金谷は平成17年までの金谷町時代にスイスのブリエンツ市と姉妹都市になっている。これは、ブリエンツ市にロートホルン鉄道という山岳鉄道があり、蒸気機関車を走らせているからだ。鉄道という縁があって、この二つの町は繋がりをもっていた。このように、鉄道という特色を持つ都市同士が繋がりを持つやり方によって、自分の町の魅力を世界に発信することができるのだ。姉妹都市という政策を借りることによって、より正確に自分たちの町の魅力を知ってもらうことができるのは有り難いことである。姉妹都市になる魅力はそれだけではなく、何年かごとにお互いに人材を行き来することである。お互いに人材を派遣することによって、行った先で自分の地域の文化をアピールすることができ、帰国後にその国のことを周りに知らせることができる。姉妹都市は人と人との繋がりを持つことのできる一つだと思う。
 金谷のお茶は明治二年駿府に移住した徳川慶喜公に同行してきた武士によって開拓された。さらに明治三年には、大井川川越廃止で職を失った川越人足たちも開拓に加わり牧の原大茶園を作り上げた。金谷は牧の原大茶園の一番北の位置にあたり、東海道五十三次の宿場町でもあって、そこにある石畳は観光名所の一つである。牧の原大茶園の茶畑はとても綺麗に手入れされていて、整然として美しいと思う。しかし、現在専業茶農家の数は減っている。それは、現代人が生茶を飲まなくなり、生産量が減少しているからである。ペットボトルは私たちにとって手に入れやすく非常に普及しているものであるが、安価なペットボトルのせいで農家のお茶は買いたたかれて、企業に安く仕入れさせられることとなる。安くなったお茶を作る農家の後継者は減っていき、お茶産業の衰退につながることとなるだろう。日本でお茶を広げることには限界を感じるので、私は世界に金谷のお茶を発信したいと考える。その方法の一つは、世界の先進国に広がっている健康ブームにお茶を流行させることである。お茶にはカテキンやビタミンCなど、人間の体に良いとされている成分が含まれている。インターネットやフェイスブックで健康に興味のある有名人がお茶について呟いてくれたとすればどのように広がるかを考えてみた。世界のその有名人に憧れている人々がお茶に興味を持ってくれて、その人は有名人と同じ体験をしたいと思う。そして同じ体験をしたときに感動が生まれれば、もう一度お茶を手に入れようと思ってくれるだろう。そうした連鎖を生み出すことができれば、お茶による経済効果と共に文化の発信、そして交流といったものが生まれるのではないかと私は考える。
 金谷独自のものであるSLとお茶を世界に発信するために必要なことは、姉妹都市をもっと活発に使うことや、SNSを利用して世界の動向に便乗することだと思う。そのためには、世界の人々に感動を与えるお茶を作り続けてくれる農家の人たちを島田市金谷の私たちが、もっと誇りに感じながら尊敬していかなければいけないと思っている。