大学広報
University Public Relations

2017作品コンテスト入賞作品

「世界と平和でつながれる町」

福山市立精華中学校3年  渡邊 マヤ

 私の住んでいる町には何もない、最近までそう思っていました。歴史ある建造物、全国から人がやってくるようなテーマパーク、外国人を誘うような観光名所。何ひとつないわけではありませんが、どれも中途半端で、これが魅力だ、というものはイメージしづらいのです。しかし、改めて町をよく見てみると、素敵な魅力があることに気がつきました。バラです。私の住む福山市は、百万本を目指すバラの町なのです。バラが咲き乱れるバラ公園、名前にローズとつく公共施設、バラがモチーフのキャラクター「ローラちゃん」など福山市はバラであふれています。ではなぜ福山市はバラの町となったのか、それは福山市の歴史と深く関わりがあるのです。
 1945年8月8日戦争中福山市は空襲に遭い辺り一面焼け野原となってしまいました。死者は354人。大変な被害でした。しかし、人々は負けずに復興へと動き始めたそうです。荒廃した町に潤いを、人々の心に安らぎを、バラに願いを託して、まずは苗1,000本の取り組みから始まりました。
 今まであまり目を向けてこなかった福山市のバラに込められた意味や歴史。私がこれを知ったのは中学校一年生の時。総合的な学習の時間に、自分の住む町の魅力を再発見すると共に、その歴史を学んだことがきっかけでした。この町のバラは咲いているだけではなく、とても特別な意味を背負っていて、これからも絶やしてはいけないものなんだな、と感じました。しかし、この事実は、地元に住む自分達だけが知って満足するのではもったいないことだと思います。なぜなら世界では、今も紛争が続いている町があるからです。荒廃した町、壊滅的な被害を受けた町、そしてそこには家族を失った人や生まれ育った町を出ていかざるをえないというように、心に深い傷を負った人達がたくさんいます。そんな悲しい思いをしている人達に福山市で起こった事を知ってもらい、生かしてほしいと私は思います。花を植えることで心は安らぎ、町に潤いがよみがえります。それはきっと確かな事実です。しかし、それは一人でやることはできないし、初めにやる人はとても勇気がいります。そんな時に大切にしないといけないのが、福山市の合言葉「ローズマインド」です。思いやりと優しさと助け合う心。様々なものが壊れてしまった町を元に戻して皆が幸せに生きていくためには、優しさを持って相手を思いやり、助け合っていくしかないのです。
 私の住む町には、平和へと歩き出すための復興の手がかりとなるバラがあります。福山市のバラに込められた意味や歴史を魅力として世界に発信していくことができれば、この町は世界と平和でつながることができるはずです。私は、自分の住む町が、世界の平和をつなぐ架け橋となることを願っています。