大学広報
University Public Relations

2017作品コンテスト入賞作品

「YOSAKOI」の心で

盈進中学校2年  西永 倫菜

 四国三大祭の一つ「よさこい祭り」は毎年8月に開催される土佐のカーニバルです。高知県高知市を発祥とするこの踊りは近年日本各地の文化と結びつき、「YOSAKOI」として個性的な衣装、音楽、ダンスを披露する祭りに進化しつつあります。
 私の住む広島県福山市にも「YOSAKOI」チームが数多く存在しますが、私はその中の一つ「備後しんいち踊り隊」に所属しています。新市の名産である「備後絣」を身に付けて踊る福山ならではの文化を大切にしているチームです。小学三年生から始めて今年で六年目。毎週一回の練習を通して身に付けた演技を地域の祭りやイベント、老人ホームの慰問などで披露してきました。
 その中でも特に大きなイベントは、広島で開催されるフラワーフェスティバルです。今年も平和大通りから出発し、ゴールの平和記念資料館前では、72年前の「あの日」を思いながら心をこめて踊りました。毎年このイベントに参加する際には、踊りをする側も見る側も笑顔でいられる「今」がずっと続きますように、という願いをこめて踊るようにしています。回を重ねるごとに「YOSAKOI」はそれぞれの土地の思いでかたち作られるものだと思う気持ちが強くなっています。
 また八月中旬には地元福山市でも「いろは丸YOSAKOI」というイベントに参加しています。これは土佐藩出身の坂本龍馬ら海援隊が乗り込んだ蒸気船いろは丸が瀬戸内海で沈没し、紀州藩と談判をおこなったのが鞆の浦であったことから、福山が龍馬ゆかりの地であることを広めようと八年前に始まったイベントです。土佐と福山の歴史的な“縁”を「YOSAKOI」という文化を継承する形で大切にし続けるという意味があるのです。
 私たち福山の例を見ても分かるように、高知の「よさこい」は日本各地でさまざまな「よさこい」に変化を遂げました。そして「よさこい」から「YOSAKOI」へと表記の変化が見られるように、こうした動きは世界にも広がりを見せています。今年の五月にはニューヨークのタイムズスクエアで参加型の「YOSAKOI」イベントが開催されたというニュースを見ました。ロックやサンバ、ヒップホップなどに音楽がアレンジされている国もあります。「YOSAKOI」は日本文化を世界に発信する力を持つイベントだと言えるでしょう。
 「よさこい」とは一説には「夜にいらっしゃい」というのがその語源だそうです。こうした他者を受け入れる姿勢があったからこそ、「よさこい」は土佐と日本各地をつなげ、さらに日本と世界とをつなげることができたのかもしれません。「YOSAKOI」の心で、街と街、人と人とを結びつける活動をこれからも続けていきたいと思います。