英語英文学科
Department of English

ゼミナール紹介

【トピックス 2018/03/09】2017年度 卒業研究論文優秀賞

2017年度卒業生が執筆した卒業研究論文の中から、指導教員の推薦に基づいて優秀論文を選出しました。「卒業研究」は英語英文学科の必修科目で、4年間の学びの集大成となります。選ばれたみなさま、おめでとうございます!

Barrsゼミ / 岡崎有佐さん Japanese loanwords in Japanese English textbooks: The effect of Japanese loanwords in global English communication

要旨

This thesis surveyed the use of Japanese loanwords, such as sushi, sumo, and sukiyaki, in English textbooks used at Japanese junior high schools. The focus of the study was on researching what Japanese loanwords were used, and whether they were accompanied by translations or explanations of their meaning. The theory was that if the English textbooks were using Japanese loanwords in the practice dialogues which have a low-frequency in standard varieties of English, and were unaccompanied by translations or explanations in the dialogues, this could lead students to falsely assuming the loanwords are widely understood in English. This in turn could lead to communication problems when Japanese people use Japanese loanwords in global English communication.

指導教員からのコメント

The strength of this thesis was in the depth of research. The thesis included details of 215 potential Japanese loanwords collected from the major English textbooks used in junior high schools in Japan. The loanwords were examined from several different angles, with statistical data such as their frequency in different varieties of English, and whether or not they were used alongside translations of explanations within the textbooks. Various methods of research were used, including dictionary research and corpus-based methods. The study stands as a very well-designed research investigation into a topic of direct relevance to English education in Japan.

Ronaldゼミ / 沖元仁美さん Racial Varieties of English: As Shown in an American TV Series

要旨

This thesis explored the representation of ethnic varieties of English through the ethnically varied characters of an American TV series, "Orange is the New Black".

指導教員からのコメント

The thesis was outstanding both for the careful investigation of literature in the field and by the research methods employed. These included line by line analysis of the script together with the creation and interrogation of a small corpus in order to compare the language of the different characters according to the ethnic groups they represented.

市川ゼミ / 伊藤万将くん「翻訳:A.トロロープ『セビリアの英国人(ジョン・ブル)』」

要旨

19世紀英国の代表的作家、アントニー・トロロープの短編作John Bull on the Guadalquivirの翻訳。イギリス人の青年と、英語を母語とするとはいえスペインで生まれ育った娘との恋愛物語。イギリス人青年の思わぬ失態から恋は挫折しそうになるが、最後は見事に成就する。男女の微妙な駆け引を描く軽妙なタッチがおもしろい。

指導教員からのコメント

英語英文学科では卒業研究として翻訳も認められているため、その一例として伊藤君の訳業を紹介することにしました。アントニー・トロロープは日本ではあまり知られていませんが、イギリスではディケンズと並び称されるほどの大作家です。伊藤君は英検一級の実力者ですが、翻訳となると話は別。ユーモアに包まれたトロロープ独特の作品世界をどう日本語で表現すべきか。何度も修正しながら進めてゆく様子を楽しく見守っていました。

戸出ゼミ / 北尾美穂さん「中学校における英語冠詞と名詞の指導:検定済教科書の分析」

要旨

日本語を第1言語とする英語学習者には、冠詞と名詞は困難な学習項目である。本論文では、まず、石田(2002)、久野・高見(2004, 2013)、今井(2010)などの文献調査に基づき、冠詞と名詞の用法を、「可算名詞か不可算名詞か」、「単数か複数か」、「定冠詞か不定冠詞か」という3つの観点で整理した。そして、そこから見えてきた分類基準に沿って、文部科学省検定済教科書で用いられている用例を分類し、名詞と冠詞がどのように取り扱われているかを分析した。その結果、テクストの必要に応じて様々な用法が適宜使われているが、冠詞と名詞の意味について言及されている個所がほとんどないことが明らかになった。最後に、指導法として、文脈豊かなインプットを与え続けることと、生徒の負担が過重になりすぎないように配慮しつつ意味と形の関係性について気づくように段階的に説明を加えていくことの必要性を論じている。

指導教員からのコメント

冠詞と名詞について正しく知りたいという北尾さん自身の学習動機が本論文の原点となりました。この論文に取り組んだことで、まず彼女自身の英語のテクストを見る力がついたのではないかと思います。北尾さんはこの春から英語の先生になりますが、指導が難しい冠詞と名詞から目をそらすことなく、指導上の工夫をし、英語教育研究を続けてほしいと思います。

水野ゼミ / 田谷彩夏さん「ハリー・ポッターにおける口語英語表現について」

要旨

研究の目的は、世界的に有名になった「ハリー・ポッター」シリーズの映画で使用されているイギリスの口語英語表現を考察することである。英語の訛りと方言、階級差による英語、著者の独自の表現スタイル等、イギリスにおける様々な英語の側面から、自らトランスクライブした3作品のセリフを分析したもの。また、必要に応じて原書も参照し、話し言葉と書き言葉の差異についても考察した。

指導教員からのコメント

田谷さんの卒業研究が特に際立つのは第3章で、第2章で記述した主要登場人文の語彙と文法の特徴的な用法が、彼らの11歳から18歳までの成長過程でいかに変化したかについて考察した点である。具体的には、シリーズの3作品「賢者の石」(11歳)、「炎のゴブレット」(14歳)「死の秘宝」(18歳)のハリーとロンの英語を資料として分析・考察し、それぞれ人称代名詞とスラングの使用に関して成長とともにどのように変化が見られたについて客観的に指摘した。

大澤ゼミ / 辻健太くん「異文化間にみられる謝罪・感謝表現の比較」

要旨

本研究は日本語、英語における謝罪、感謝表現を比較したものである。具体的には映画Lost in Translationを題材に両者の表現が現れる頻度を比較した後に、談話完成タスクを利用した質問紙調査を行っている。その結果、日本語では、相手との人間関係およびおこった出来事の重大性により感謝や謝罪表現を変化させることがわかった。一方で英語においては、相手との人間関係や出来事の重大性が変化しても、謝罪表現の使い方は変わらないということが明らかになった。また日本語・英語母語話者に共通する特徴として、女性は男性よりも謝罪表現を効果的に利用していることも明らかになった。

指導教員からのコメント

質問紙調査を行うためには事前に多くの作業が必要になりますが、辻くんは日本語・英語両バージョンの質問紙を時間をかけて丁寧に作り上げました。また予備調査を行った上で本調査を行なっているため、2度目の調査では質問紙の完成度も上がり、回答者数も増えました。何よりも1年を通して計画的に作業を進めている姿が印象的でした。

過去の卒業研究論文優秀賞はこちら

Pick up Seminar

浜崎 萌子

ゼミナールⅡ(担当:BARRS,Keith 准教授)

掲示板の英語は伝わっている?
身近な英語から視野を広げています。

浜崎 萌子
4年 広島市立沼田高校出身

日本で使われている英語を探し、自然な英語か和製英語かを調査。他言語と使われる英語がわかりやすいものなのかを研究しています。

その他の開講ゼミナール

短編小説を素材にした英語の総合演習/石井 善洋

通訳翻訳研究/石塚 浩之

小説を中心としたイギリス研究/市川 薫

英語コミュニケーション論/大澤/真也

Aspects of Vocabulary, Language and Society/RONALD, James M.

近代アメリカ文学・文化研究/塩田 弘

英語教育学・第2言語習得研究/戸出 朋子

生成文法入門/針持 和郎

Investigating World Englishes with Corpus Linguistics/BARRS, Keith

英語学演習:What is “ENGLISH”?/水野 和穂

現代アメリカ文学・文化研究/山口 格

これまでの卒業論文テーマ例

現在形完了相の時制と指導~L1児童用英語絵本からの示唆~

現在形完了相の「意味」と「形」について文献調査を行い、従来の指導法の問題点を指摘。さらに、多読用英語絵本を分析した先行研究をもとに、指導の改善法を考察した。

英語絵本の分析~言語習得の観点から~

言語習得における語彙や文法の発達に関する研究を概観したのち、絵本の総語数などの言語的特徴を探り、絵本の言語習得上の特徴について明らかにした。

フィリピン英語の特徴と使用の実態

タガログ語と英語との混交語‘Taglish’について言語学的特徴を整理するとともに、雑誌と手紙から使われ方を考察。フィリピンにおける英語教育の歴史と現状を調査した。

Onomatopoeia in Japanese Comics:How sounds are represented

In this study of 10 manga stories, the student identified and categorized a total of 682 onomatopoeia: representing sounds or types of laughter or footsteps; common onomatopoeia in boys' and girls' comics; and unique onomatopoeia.

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